バスは安来市街に入ります。
最初に日本で唯一のたたらの総合博物館
「和鋼博物館」へ。
D51が出迎えてくれます。
エントランスには
たたらの象徴「天秤鞴(てんびんふいご)」が。
国の重要有形民俗文化財に指定されています。
この鞴のふるさとは日南町なんですよ。
三日三晩休むことなく操業して、
大きな鉄の塊、
「鉧(けら)」が産出されます。
この流れは映画「もののけ姫」ですっかり浸透しましたね。
ありがたい。
先に申しました良質の玉鋼の部位はこの中の1~3割程度なのです。
貴重ですね。
この玉鋼が日本刀の材料となるわけです。
案内人さんに説明してもらいながら、
館内を回りました。
たたらに興味をもたれた方は寄ってみて下さい。
続いて安来の町あるきに出発します。
安来港から国道9号線へ抜けるコースです。
ここでは細田さん、松本さんに案内していただきました。
ここ、安来港は江戸時代、鉄の積み出し港として栄え、
全国の刃物産地へと鋼が届けられました。
永井瓢斎(ながいひょうさい)氏生誕の地。
あの朝日新聞の「天声人語」を執筆した人物です。
この永井家も鉄問屋として栄え、
土地の向こう側は、かつては川で、
安来港に注いでいたということです。
一例をとってみますと、
日野→安来→燕市(越後)→信濃川→江戸といった感じ。
ほらね、「鉄の道」見えてきたでしょう。
かつての商家が立ち並びます。
9号線にあたりました。
しっくいの建物は
割烹「山常楼(やまつねろう)」。
江戸時代の創業。
山陰合同銀行の記念碑。
かつては安来銀行本店でした。
ひと際大きなお屋敷。
すると戸が開き、中からおかみさんらしき方が…。
「よかったら中、見て行かれませんか」
なんというありがたいことでしょう!
ご厚意に与り、中を見学させていただくことに。
ガイドさんによると、こんなことはめったにないことだそう。
ここでガイドさんからクイズ。
「どなたのお屋敷でしょう?」
そこで我が会長が一言、
「並河勉(なびかつとむ)さん?」
「正解!何で分ったんですか?」
「山陰酸素(前安来商工会議所会頭)の会長さんでしょう。
商売現役の若い頃、お世話になったんです。懐かしい…」
見ているこちらもじーんときてしまいました。
今に繋がっているのだなあと実感。
天明3(1783)年、
今から230年以上も前に建てられた「並河家住宅」は
島根県の有形文化財に指定されています。